家づくりのスタートとして重要なのが「自分がいくら借りれるか」である。この金額と手持ちの貯金の合算が、自分が建てられる家の規模そのものとなる。
「家を建てる」という人生最大の決断をする理由はそれぞれだが、たとえば30代の会社員や公務員ならおよそ以下が多いよう。
- 若いうちに住宅ローンを組みたい
- 子供が小さくアパートマンションが住みづらくなってきた
- 会社員だからローンが通りやすい
これを「40代で経営者」に置き換えると、かなり状況が違ってくる。
経営者は会社員に比べて、ローンが圧倒的に通りづらい。会社の業績がイマイチだとさらに厳しい。フリーで活動している人も個人経営者なので全く一緒らしい。つまり、家づくりは融資資金をどれだけ借りられるかが最初の決断材料になる。
昔の私のように「これしか借りられないの?」という場合は、新築は諦めて中古を探すしかないのです。ちなみに私は経営者なので、以下は経営者が仮審査をしてもらった流れです。
会社経営者がローン審査で提出する書類
そんな経営者である私が、実際に銀行でローンの仮審査をした際に提出した書類は以下である。
- 会社の3期分の決済書(貸借対照表・損益計算書)
- 現在のローンの残高(個人分)
- 現在の年収(源泉徴収票コピーの提出)
- 住民謄本(家族全員分の住民票がまとまったもの/役所で入手)
- 持病はないか(口頭で聞かれる)
これらすべてを提出し、銀行でいくら借りられるかを仮審査してもらう。そうすると「家づくりで借りられる総額」が分かる。その金額でokなら本審査をしてもらう流れだ。ちなみに本審査でもだいたい同じ金額が出てくる。
この時点でどこで家を建てるかが決まっている人は、銀行ではなくフラット35を扱う住宅金融支援機構や日本住宅ローンという手もある。
日本住宅ローンは大手ハウスメーカー数社が出資して作っているため、そのメーカーで建てようと決めている場合、ローンが通りやすいようだ。
私はこの時点でまだ決めていなかったため、銀行に審査を依頼した。
銀行の住宅ローン総額は、年収の約7倍が目安らしい
10年前に今住んでいる中古一戸建を買おうとした時は、相当大変だった。年収が低かったので2度審査が通らず、最終的に住宅金融支援機のフラット35でようやく通った記憶がある。自分の査定金額の低さが情けなかったが現実を知るいいきっかけになった。
今回、銀行の仮審査で出てきた融資額は7000千万円だった。聞いたところおよそ年収の7倍がひとつの目安になっているらしい。と考えると年収が1200万なのでその辺に落ち着く。
会社の業績は少しづつ上がり続けていたが、10年前味わった現実があったため、かなり多い融資額で驚いた。やはり経営者だけに、もっと低いと予想していたのだ。
これで自分が土地建物で「最低7000万円」の新築一戸建てを建てられるという事がわかった。もちろん7000万円を満額借りなくてもいいし、どれくらい頭金(自己資金)をプラスするかでおよその計算が成り立つ。
ちなみに仮審査にかかった日数は、およそ2週間ほどだった。
現在のローン完済が融資条件
ただし融資には条件がひとつあった。それは、現在住んでいる中古一戸建ての残債1200万を完済すること。完済の証明書(控えなどいくつかある)も必要になってくる。
これはどの金融機関でも言われる事らしいので、いわば必須条件になる。
つまり私の場合、今のローン残債1200万を先に自己資金で一括返済しなければならない。65歳まで無理なく組んでいたローンがここでボディブローのように効いてくる。